誰かの不幸を着ているという、不都合な真実。

LYL.FASHION Blog

LYL.FASHION StylistのDiceです。

酒とタバコとコレステロールを愛するが故に、昨今のオーバーサイズブームを心から歓迎しております。

最近では症状がさらに進み、クローゼットはYohji Yamamoto化(全部セカスト)が加速。もはや布をそのまま被ったような格好で体型を隠し、大阪は堺の町を闊歩しておる次第であります。

大阪は堺近辺で黒い布が歩いていたら、92%くらいの確率で私であろうかと。

 

さて、LYL.FASHION Blog 初回のポストだというのに、なんだか暗そうなタイトルからのスタートです。

が、がですよ。特にファッション大好きな読者の皆さんには、これからもファッションを楽しんでいただくためにシェアしたいテーマであり、我々がLYL.FASHIONを立ち上げた大きな理由でもあります。

 

LYL.FASHION Blog Fast Fashion

ファッションの主流がオートクチュール(高級仕立て服)から1970年代を境にプレタポルテ(既製服)に変わり、さらにそれが2000年代からは最新トレンドを高速サイクルで大量生産し低価格で販売するファストファッションが多くの消費者にとって身近になっています。

その流れの中で、ライフスタイルにおいてファッションの優先度が高くない層だけでなく、ファッション系のSNSをみても分かる通り、ファッション好きな層においてもファストファッションが全面的に取り入れられています。インナーとかじゃ無くてアウターですら。。。

さらにそうした市場の動向は中価格帯のショップやブランドにも波及しているように見えます。

店先のマネキンだけを見れば、どのショップの看板を付け替えても違和感がない程に似通っていると思いませんか?

そしてそのテイストは、どれもシンプルで余裕のあるサイズ感といった、これなら「別にファストファッションで良くね?」といったものが大半です。

街中のファッションストリートから郊外のショッピングモノールや駅ビルまでそんな感じですから、当然街にも同商品が溢れかえり、どこに行っても同じような格好の人たちがウジャウジャ、といった現状になるのも致し方なしです。

その結果、ファッション系SNSの上位表示までファストファッションの新聞チラシのような状態に... それって、何がイケてるかじゃなくて、これ着とけば周囲から浮かないよっていっているに等しいような... 

もはや制服... はたまた人民服... それは果たしてファッションなのか...

 

いや、何もファストファッションを着るのが悪いという趣旨では全くありません。

結局は選択の自由ですし、それぞれ可処分所得も違うでしょうし、そもそもビジネス・マーケティングの威力とそれに気付かず踊らされて喜ぶ「一般大衆」の構図は何もファッションに限ったことではないですしね。(暖機できてきたw)

ただ、ファストファッションの一つの特徴である「低価格」はどうして低価格たり得るのかについて、強烈な実例をご紹介させていただいた上で、ファッションピーポーである以前に、世界の、地球の一員として血の通ったピーポーでもある皆さんと共に考えたいのです。

LYL.FASHION Blog

2013年4月、バングラデシュの首都ダッカ近郊で工場ビルが崩壊し、1127人の労働者の命が奪われました。

崩壊したビルは以前から違法な増築によりその危険性が認識されており、事故前日に亀裂が入っていることも報告されながら、工場経営者はそのような環境に常識的な収容人数を超えた数の労働者を押し込めて働かせていたのです。

その労働者の方々は、日本を含む世界のファストファッション企業から受注した、今我々が着て、そして飽きては捨てているその安物のコピペ服を、もっともっと安く、早く、大量に作るようにファストファッション企業からプレッシャーを受け、過酷な環境で働いて、そして亡くなったのです。

 

これはほんの一例でしか無く、特に発展途上国においてはこのような悲しい例が多数あり、それは今でも続いています。

そうした世界のどこかの誰かから搾取した結晶が、特定の意図を持って作られたトレンドとやらに形を変えて、無個性で疑問を持たず流されやすいマス層に向けて、暗示のようなコピーライティングやプロモーションに乗って、流通されているのです。

 

私はこれを知った時、牛舎の餌やり場に一斉に顔を出して遺伝子操作された餌をフガフガ貪る大量の家畜の絵が頭に浮かびました。

さらに滑稽なのが、そうした人の不幸によって生産・流通された服の形をした無個性な工業製品を、SNS上で同じようなポーズで着て見せて、さらに無知で暇な層を煽る構図と、そのために更に早くなった破棄までのサイクルです。

 

知ってますか?
ファッション産業は、石油産業に次いで二番目に地球環境を破壊していることを。

搾取しているのは発展途上国の労働力だけでなく、我々が立っているこの地球の命をも削り取っているのです。

 

私は幸運なことに、その負のサイクルを少し遅くする側に意図せず立っています。
古着が好きだから。

私は幸運なことに、周囲と同じである事、「普通」と言われる事が最大の屈辱と感じるのでコピペな格好では喜べず、自分の人生を生きています。

Live Your Life」それで少しでも不幸や環境破壊が少なくなれば...
そのほんの少しの貢献でも、LYL.FASHIONでできればなと。

とまぁ、こんな事を書き殴っていながら「あぁ言えばこう言う」的なのは簡単に想像できるわけで、それらへ更に被せることもできるわけですが、それは大切な人生の時間の大いなる無駄使いなので止めておきます。

 

ではまた、CU Soon!

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